「憧れのあの曲を自分で弾いてみたいけれど、今の自分のレベルで弾けるだろうか」「楽譜を見ても難しそうで、どの曲から始めたらいいか迷ってしまう」と悩んでいませんか。
大人になってからピアノを再開した方や、新しく趣味として始めた方にとって、最初の曲選びは上達の楽しさを実感できるかどうかの大切な分かれ道です。自分の実力や好みに合わない曲を選んでしまうと、途中で挫折してしまう原因にもなりかねません。
ここでは、大人のピアノ初心者が無理なく楽しみながら上達できる、失敗しない曲選びのコツとおすすめのジャンルを詳しくご紹介します。
大人ピアノの曲選びでよくある悩みと解決策
「せっかく練習するなら好きな曲を弾きたい」という気持ちはとても大切ですが、まずは大人の練習環境や上課のペースに合わせた選び方を知っておくことがポイントです。
難易度の高すぎる曲を選んでしまう失敗
「ショパンの幻想即興曲」や「リストの愛の夢」など、誰もが耳にしたことのある名曲は魅力的ですが、指の独立や複雑なリズムを必要とするため、初心者がいきなり挑戦すると途中で指が追いつかなくなってしまいます。
【解決策】まずは自分の現在地を知る
今の自分でも無理なく両手で音を追える難易度の曲から始めることが、モチベーション維持の一番の近道です。少し物足りないと感じるくらいの簡単なアレンジ版からスタートし、少しずつステップアップしていくのが長く続けるための秘訣です。
自分の好きなジャンルが分からない悩み
「クラシックを弾くべきか、それともポップスやジャズにするべきか迷う」という声もよく聞かれます。クラシックは指の独立や基礎的なタッチを学ぶのに最適ですが、馴染みのあるポピュラー音楽はメロディが頭に入っているため、音符を追いやすいというメリットがあります。
【解決策】まずは知っているメロディから選ぶ
「この曲が好き」「このメロディを自分で奏でてみたい」という純粋なワクワク感が、毎日の練習の原動力になります。ジャンルにこだわりすぎず、ご自身の心がときめく楽曲を自由に選んで構いません。
失敗しない大人ピアノの曲選び:4つの重要な基準
実際に楽譜を選ぶとき、どのような点に注目すればよいのでしょうか。具体的な選び方の基準を整理しました。
1. 自分の現在のレベルに合っているか
楽譜の難易度表示(初級、中級など)を一つの目安にします。特に「初級」の中でも、指があまりクロスしないものや、左右の動きがシンプルなものを選ぶと安心です。
2. 知っている曲、好きなメロディか
すでに耳馴染みのある曲は、楽譜の音符と実際の音の響きを結びつけやすいため、独学であっても譜読みがスムーズに進みます。
3. 曲の長さが適切か
最初から5分以上の大曲に挑むのではなく、まずは1〜2分程度の短い曲や、サビの部分だけでも十分に音楽を楽しめる楽曲を選ぶのがおすすめです。
4. 初心者向けアレンジ(易しい楽譜)が存在するか
原曲の美しさを保ちつつ、指使いがシンプルに書き直されているアレンジ楽譜を選ぶことで、無理なく楽しく弾き切ることができます。
初心者の大人におすすめしたい定番の曲ジャンル
大人の初心者の方が、無理なく楽しみながら取り組める代表的なジャンルをご紹介します。
クラシックの小品
短い時間で美しくまとまるクラシックの小品は、タッチや表現力を学ぶのに最適です。
バッハのシンプルなメヌエット
ブルクミュラーの愛らしい練習曲
サティの優しく神秘的なジムノペディ
これらの楽曲は、指の基本トレーニングになりながらも、聴き心地が良く、自宅でのリラックスタイムにぴったりです。
映画音楽やドラマのテーマ曲
誰もが一度は耳にしたことのある映画やドラマの音楽は、感情移入しやすく、表現力を磨くのに向いています。ドラマチックなメロディが多く、簡単なアレンジでも十分に演奏の達成感を味わうことができます。
心が和むポピュラー音楽やJ-POP
馴染みのあるヒット曲や、心に響くバラード曲のピアノソロアレンジ版です。自分の知っている歌声の代わりにピアノの音色でメロディを奏でる楽しさは、何物にも代えがたい喜びがあります。
自宅での練習をより楽しく、実りある時間にする工夫
お気に入りの曲を選んだあと、毎日の練習をさらに充実させるための具体的なアプローチを見ていきましょう。
音符を完璧に読もうとしすぎない
最初はすべての音符を五線譜から完璧に読み取ろうとせず、ドレミの音名を楽譜に書き込んだり、動画サイトの鍵盤解説を参考にしたりして、まずは音を出す楽しさを優先しましょう。
部分練習を丁寧に行う
曲全体を通して弾こうとすると、難しい部分で必ずつまずいてしまいます。「ここからここまでの2小節だけ」と細かく区切り、右手と左手を別々にゆっくり練習してから合わせることで、驚くほどスムーズに弾けるようになります。
自分の演奏を録音して客観的に聴く
スマートフォンなどを活用して自分の演奏を録音してみましょう。最初は少し気恥ずかしさを感じるかもしれませんが、「ここはもう少し滑らかに弾こう」「ここはテンポを落ち着かせよう」と自分で気づくことができ、上達スピードが格段に上がります。
まとめ
大人のピアノにおける曲選びで最も大切なのは、「自分が心から弾いてみたいと思えるかどうか」そして「今の自分のレベルに無理なくフィットしているかどうか」のバランスです。
難しすぎる大曲に挑んで疲れてしまうよりも、お気に入りのメロディをご自身のペースでゆっくりと奏でる時間を大切にしてください。今日から、あなたにとって特別な1曲を見つけて、ピアノのある豊かな暮らしを始めてみませんか。